職員の平均年齢が上がっている
訪問介護業界は職員の平均年齢が上がっており、若い世代が少なくなっています。

職員の高齢化も進む
訪問介護業界が抱える問題として、職員の高齢化も挙げられます。在宅で介護保険サービスを使っている人のうち、3割以上が訪問介護を利用しています。在宅での生活には必須のサービスといえますね。その訪問介護において、公益財団法人介護労働安定センターが2020年度に実施した介護労働実態調査の結果が話題となっています。この調査によると、訪問介護職員のうち65歳以上の割合は、全体の25.6%とされています。つまり、訪問介護職員の4人に1人は高齢者ということですね。施設に勤務する介護職員は9.4%、看護職員が13.1%、ケアマネジャーが9.3%であることと比較しても、かなりの割合であることが分かります。なお、介護サービス全体の平均年齢は49.4歳で、訪問介護に限ると54.1歳です。この数字を見て分かる通り、在宅で介護を必要とする高齢者が対象の訪問介護においては、職員自身も利用者の年代と近い層によって支えられているんですね。
若い世代が少ない
職員の高齢化が進んでいることを説明しましたが、とはいえ、年齢を重ねても体力や思考力がそれほど衰えていないケースも多いです。そのため、職員の平均年齢が上がっていることに対して悲観する必要はないともいえるでしょう。本当に問題なのは、若い世代が非常に少なくなっていることです。30歳未満の職員は全体のわずか3.8%です。10年以上前の2010年時点でも4.9%と低い数字ですが、それからさらに割合が低くなっているんですね。若い世代の担い手がこのままいなくなれば、当然ながら訪問介護業界そのものの存続が危ぶまれてしまいます。
加えて、離職率の高さも問題となっています。2020年度の調査によると、施設勤務も含めた介護職員全体の離職率は14.9%となっています。これは2005年度の調査開始以来最低の数字です。介護業界全体で人手不足の状況が続いていますが、現役従事者の勤務継続に対する意欲は高まっています。しかし、訪問介護だけは2019年度よりも離職率が増加しています。その理由は様々ですが、やはりコロナウイルスの影響が大きいようですね。コロナ禍において、利用者の重症化リスクだけでなく、提供側である職員も高齢化しているため、環境的に感染対策が万全とはいえない一般家庭に訪問する訪問介護では大きな不安が付きまといます。それが離職の動機となり、現場を離れる人が増えてしまったんですね。とはいえ、現在はコロナウイルスの感染拡大も落ち着き、以前よりはリスクが低い状況です。これまでよりは、訪問介護業界で働く人材の確保も進んでいくでしょう。以下に、介護労働実態調査の結果を公表しているページを紹介します。本文では2020年度の調査結果をベースに内容を記していますが、最新のデータを知りたい人はこちらを参考にしてください。
こちらが、介護労働実態調査の結果を公表している公益財団法人介護労働安定センターのページです。
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